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子どもをよく観察したモンテッソーリが発見した子どもの姿とはどんなものなのでしょう
か。私たち大人は大人の目からみた子ども像を無意識的に持っています。子どもはうるさ
い落ち着きがない、すぐ飽きる、大人が教え込まないと何も出来ない・・などといった風
です。
赤ちゃんは無力の状態で生まれてきますがおっぱいを飲む時に口をすぼめて吸う事と飲み
込むという喉の動き、この二つは生きて行く為に本能的にもちあわせているといわれてい
ます。自分の意思では何も出来ません。しかししばらくすると目で色々なものを追う様に
なったり首が据わり物を掴んだり座れるようになってきたり1歳になる頃には立てるよう
にもなります。こういったように自分で色々な事が出来るようになるのが「自立」なので
す。子どもは自立を繰り返しながら成長していくのです。
赤ちゃんがものをつまんだり立ち上がり歩けるようになったのは大人が教え込んでできた
ものではありません。いつの間にか出来るようになっていたりします。子どもの中には生
まれた時から自立する力が備わっているのです。そして子どもはそれをできるようになる
為にとことん練習をするのです。これが自立への方法なのです。

この自立へ向かう沢山の事はいつできるようになるのでしょう。
幼児期にはある特定の事に対してとても強い感受性を持つ時期がある事を発見しました。
そして敏感なだけでなくその事をいとも簡単に吸収する事ができてしまうのだとモンテッ
ソーリは言っています。その時期の事を「敏感期」と呼びました。
敏感期にある子どもがある特定のものにであうとどうなるのでしょうか。モンテッソーリ
が見た有名なエピソードを紹介します。

 ある日3歳位の女の子が円柱さし(感覚教育の教具)を使っているのを見ました。女
 の子はとても熱心に取り組んでいてそれは何か特別なものを感じたようです。モンテ
 ッソーリは女の子が円柱を出したり入れたりする回数を数えました。そしてその集中
 の度合いも確かめたかっ為他の子どもに大きな声で歌わせてみたり、さらには女の子
 腰掛けている椅子ごと持ち上げてテーブルの上においたそうですがその時女の子は円
 柱を大切そうに握りしめ、元の位置に戻されるとまた何事もなかったかのように作業
 に戻ったそうです。その回数は42回(または44回とも)言われています。
 女の子は作業を自分の意思で終わらせにこにこしながら目を輝かせていたそうです。
 そして長い作業に疲れた様子もなくむしろ長い休息をとった後の安らいだ満ち足りて
 いるようだったのです。

その後モンテッソーリはこの女の子と同じような子どもたちの様子を沢山見ることになり
ます。この現象のことを「集中現象」と名づけました。

ある作業に夢中になって取り組み集中現象を起こした子どもは「正常化」されていきます
この「正常化」とは子ども本来の姿であり、自ら成長、発達する為に持って生まれてきた
機能を十分に発揮できる状態です。この反対の意味として「逸脱発達」というのがありま
す。周りの大人や環境によって歪められている状態のことを言います。この逸脱発達にあ
る子どもも集中現象を起こし正常化することを繰り返すことにより逸脱の状態から幼児の
正しい姿へ戻ってくるのです。

現在日本でもっとも一般的に行われているのは教師が子どもに教え込む一方通行の図式で
子どもはいつも受け身でいろいろな技術や知識を教え込まれます。
しかし子どもには自分で自分に教える力や敏感期にあればいとも簡単に吸収することがで
きます。
下の図(左)では片側からの一方通行の矢印ですが(右)は相互に矢印が向いています敏
感期にある子どもにあった環境を大人が整える事により子どもが自分自身で成長するので
す。