〈鮭有効利用釣獲調査〉
「鮭釣りしてみませんか?」と,北海道の義弟より、夏ごろTELがあった。
本来、川での鮭釣りは禁止されているのだが,漁獲調査の名のもと,鮭を釣っても良い川が在るらしい。
早速、入漁券の手配をしてもらい,鮭の上り始める9月下旬に、2週間の休暇をGET。
久々の食うための釣りに,少なからず心が踊った。なぜなら,そいつの腹の中には,高級【イクラ】が潜んでいるのである。
エギング兼用の,ライトなシーバスロッドでは,少々心とも無いが,まあ,なんとかなるでしょ。
9・21に北海道に着き,状況を聞くも,あまり芳しくないらしい。とりあえずルアーを現地調達する事にした。
もっともポピュラーなのは,うきルアーなる仕掛け。ザラより一回りでかい中通しのうきに,リーダーを1mほど取り,
その先に18〜40gの派手なスプーンを付け,シングルまたはダブルフックにタコベイトを付け,更にお好みの餌を付けるという,
根掛りしたら手痛い出費となりそうな,ヘビキャロのようなリグである。
シンプルにスプーンのみで勝負するのもアリらしいが,長いものには巻かれろなので,うきセット3つ,タコベイト付きスプーンを6つ購入した。
タコベイト付きルアーと鮭用浮き
数日が経ち、9・26の朝、管理事務所に問い合わせをしてみると,少し揚がっているらしい。昼から出撃する事にした。
向ったのは、実家から車で1時間ほどの、浜益(ハママス)川の河口域。中流域では山女やオショロコマが居そうな川である。
海辺の管理事務所で受付をし、早速、竿を出す。平日なのに結構釣り人がいる。
浮き付きルアーを投げるもの,フライロッドを振る者,ぶっこみのオジさんなど,皆,様々の釣りをしているようだ。
スプーンにサンマの切り身をつける行為に、少々抵抗を感じるが,やはり長い物には巻かれろなので,餌を付けキャスト。
沖目に投げた浮きに早くもアタリ!(エッもう!?)チョットにんまりしながら合わせる。…が,のらないっ!
そのまま,待っていると,《ズぽっ!》あのクソでかい浮きが消しこんだ!バシっと合わせる。
《ググっ》と確かな手応え。となりのかみさんに「おい!釣れたぞー」と言いつつ、かなり不安な頼りない引き。
力無く寄ってきたソイツは,なんと尺ウグイ(はや)。サンマに釣られて食ってしまったようだ。
その後も,まるでギルの如く,果敢にアタックしてくる。
そんな事やってたら,対岸の兄ちゃんのロッドが満月だ!結構デカイらしい。皆の注目を集めている。
「ああっ」と言う弱々しい声と共に,さっきまで緊張していたラインが,しなだれている。バレた様だ。
何故かホッとした俺。ブッコミの親父もホッとしているようだった。
鮭のヒットを確認し,俄然やる気が出る2人であったが,相変らずウグイのアタリしかない。思いきってポイントを移動。
オカッパリの基本を忘れていた。足で稼げ!だ。餌をつけるとウグイしか来ないので,餌つけねえ!
ルアーで勝負じゃ!トロ引きが良いと聞いていたので,ひたすらトロトロ引いていたが,早引きしてみる。
数投後,ガツン!と何かがひったくった。気が付くと,俺のロッドが満月だ!遠くに何かがばっしゃん!ずぱぽんと跳ねている。
これこそ鮭に違いない!そう,直感した。隣のかみさんがタモを持って走ってきた。
バラしたくない一身で妙にドラグを気にする俺。スプールに巻いてある12LBは新品だがこの引きには不安が残る。
皆の注目を集め,見事タモ入れ成功!重て〜!3.5kg78cmだった。
腹が薄く赤みがかってたので(これはイクラが透けて見えるに違いない)メスだ!と思った。
メスに見えるがオスだった。
釣り上げたら,棒で頭をポカポカやってとどめを刺すのがセオリーらしいが,近くに棒が無いので蹴りケリすることにした。
一発蹴りを入れた。びくともしない。ビチビチ跳ねている。リリースばかりの釣りをしているので《殺す》ことに抵抗があったようだ。
今度はきっちり頭を狙って思いっきり蹴りを食らわした。〈ドカッ〉イテえー!突き指したようだ。親指がじんじんしている。
今だビチビチしている。早くとどめを刺してあげなければ…。
〈ドスっ〉今度は渾身の踵落としを食らわせた。ピクピクしている。逝ってくれた様だ。
出来れば苦しませずに一発でシトめてあげたかった。ゴメンナサイ。
1匹釣ってもう,帰りたい気分だ。が,まだかみさんが釣っていない。ポイント移動する事にした。獲物を持って移動するのは気分が良い。
夕方になりかけ(もう帰ろう)と思ったが,かみさんがひたすらキャストを繰り返している。(まったく,あきらめの悪い奴だな。)
と、思ったその時,「タモッ、タモ〜!」とかみさんが叫んでいる。タモを持って走ることにした。
おおっ,釣れている!タモを持って川に飛びこんだ。少してこずったが,タモ入れ成功。蹴りを2発入れ,逝っていただいた。
慣れて来た。「少し模様が出てるな。これはオスだよ」と思った。
どう見てもオスっぽい。後が浜益川。
一匹づつ釣れた所で検量しに行った。調査だから性別・寸長・重量を管理のオジさんが手際良く測る。
なんと俺が釣ったのはオスでかみさんのはメスだと言う。
チョット納得がいかなかったが,どっちかにイクラが入ってれば良いやと気分良く帰った。
かえって捌いて見るとやはり俺のほうには白子が入っていた。
入手した入漁券は3日券.チャンスはまだ2日ある.明日,頑張ろう。
9/27、今日は気合を入れ朝一から釣行。義弟とその友人も同行。雨なのに受付に,早くも行列が出来ている。好きだなー,みんな。
結果,前夜から雨という状況悪化もあり,かみさんを除く3人が一尾づつキャッチ。
85cm・4.5kgをキャッチした俺,密かに大物賞を狙っている。かみさんの背中がしょぼくれて見えた。
9/29,とうとう最終日。今日は爆釣りするような気がした。受付も行列だ。覗いて見るとタックルチェックをしている。
皆,あわくってルアーを出している。なかなか厳しくやっているようだ。
(ちなみにルアーはシングルフックのみ,竿は1本のみなど規定が色々ある)
受付を済ませ、ダッシュでお目当てのポイントに向う。なんかトーナメントみたいだな。
ポイントに陣取り,早速キャスト。巨大なボラの様に鮭がずポ〜んと跳ねている。こりゃ釣れるぞ。
隣に入ったオジさんが、早速、釣り上げた。チョット気にしながらキャストを繰り返す。すぐにアタリ!餌はつけていないので,当然、鮭。
「オイっ、タモー!」かみさんがタモ持って走ってきた。寄せようと,ロッドに力を入れたら「アりゃ!ばれた」。かみさん、がっくり。
めげずにキャストを繰り返す。すぐにアタリ!今度は電撃フッキング!
「オイっ、タモー!」かみさんがタモ持って走ってきた。寄せようと,ロッドに力を入れたら「アりゃ!ばれた」。かみさん、またがっくり。
今度はかみさんがヒット。良い具合に寄せている。タモに鮭が入り,抜きあげようとしたら、ぽっきりタモの首が折れた。
危なく落としそうになった。万が一落としたら,俺が落とされる。必死でどじょうすくいのざるの様にすくった。
続けてかみさんがヒット。キッチリすくった。蹴り1発で仕留めるほど慣れた。
ふと,周りを見ると随分、釣り人が増えた。隣のオジさんも調子よくヒットさせている。チョット焦る。
新しく来たオジさんが入る所を探している様だ。《いやな予感》。「隣り,入っても良いですかねー」とひとの良さそうなオジさん。
《こんな狭いトコ入ろうとするなよー》と思いつつも,笑顔で「良いですよー」と答えてしまった。
早速、オジさんがヒットさせてしまった。マス用と思われる華奢なロッドが悲鳴を上げているようだ。オジさんもへっぴり腰で耐えている。
《こりゃ、タモ入れ手伝わんといかんなー》とオジさんのタモを手に持った。絶句した。
これはどう見てもヘラか、海の小物用。「俺、これで入れる自信ねー!おっさん、タモ位ケチンなー!」と言いたかったが、
オジさんの余裕は無さそうだ。頑張ってみる事にする。辛うじて,胴体半分入れたが尻尾までは入りそうも無い。
なんとか,力技で陸に上げた。オジさん,大喜び。何でも,今日が初めての鮭釣りで,普段使っているマス用のタックルを持ってきたそうだ。
「私,もう,帰っても良いです。釣れたので!すぐに釣れるとは思わなかった」と,オジさん。《じゃあ,帰ってよ》と,口から出掛けた。
欲が出たのか,オジさんキャストを繰り返す。また,ヒット。《おりゃ,おっさんのタモ係か》と思いつつも,綱渡りのタモ入れをする。
運良くタモ入れ出来た。ホント,他人のタモ入れは気い使うわ。
かみさんが,俺を呼んでいる。ヒットしたらしい。走って行きすくった。かみさん3匹目。
かみさんの両隣のオジさんがまったく釣れていないらしく,かみさんのキャストに随分かぶせて来るらしい。
悲しき釣り人の性。釣れる人にあやかりたいのは,分らないでもないが…。
ボチボチ,俺も釣らんと。
鮭が目の前で跳ねた!そこだ!ルアーがイイトコに入った。待望のバイト!《バシっ》しっかりフッキング!確かな手応え。
おおっ,これはデカイ!ラインが風を切っている。ヤバイ!!竿先が絞り込まれる。何でラインが出てかねえんだ!
《あっ,さっきドラグを締めこんだんだ》先ほどバレたのは,ドラグがゆるく,フックアップしていなかったと思い,締めこんでしまった。
かみさんが,タモ持って走ってきた。ううっ,のされる〜!慌ててドラグを緩めようとしたが,逆に締めてしまった様だ。
ラインが切れるのに時間はかからなかった。バツンッ,うおっ,リーダーから浮きごと持ってかれた。3連続バラシだよ…。
対岸では,目印をつけた鮭を引っ掛けようと,オジさん4人が躍起になっている。
「それ,俺がバラした奴なんで手を付けないで貰えますか?」本気で言いに行こうと思った。
気を取りなおし,キャストを繰り返す。ヒットした。隣りのオジさんが・・。綱渡りのタモ入れをする。ホント,気い使うわ。
タモ入れ料くれ!少し口から出かかった。オジさん1人ならすべて失敗していたに違いない。
鮭が跳ねた!そこじゃ!キャストをする。イイトコに入った。バイト!遅合わせでフッキング。今度はイイ感じだ。ドラグのすべりも良好!
かみさんが,タモ持って走ってきた。今度はバラすわけにはイカナイ。
かみさんがタモ入れしようとするが,如何せん網だけなので上手くすくえない。失敗するたびにヒヤヒヤする。
見兼ねたオジさんが手伝いに来た。へっぴり腰で果敢にすくおうとする。俺のバラしっぷりを見ていたから相当、必至だったのだろう。
網に入った!その瞬間ラインが切れた!鮭はっ!…。良かった,網に入ったままだった。
ラインが切れたと思ったら,なんとルアーのスナップが伸ばされていた。恐るべし鮭パワー!
オジさんもご満悦で帰っていった。
かみさんがダメ押しのヒット。4匹目。制限は1人5匹までだが,そんなに釣っても食いきれないので検量する事にした。
今回はちょい小振りで83〜65cm位だった。だが,5匹のうちメスが3匹もいるという。
家に帰り,早速、捌いた。結果メスは1匹だけだった。オジさん…,がっかりだよ。
結局3日間で私・オス3本,妻・メス2本,オス3本,合計8本でした。