![]()
第18回(2003/9/11)
『ディア・ハンター』("The Deer Hunter", 1978)
今日9/11はご存知の通り、ニューヨークでテロがあった日です。あの事件はもちろん悲惨で許せないものでしたが、一方でそれをきっかけにアメリカ人のみならず、世界中の人々が「愛国心」というものをあらためて意識するようになったのも事実だと思います。
今日ご紹介するのは『ディア・ハンター』です。3時間に及ぶこの作品は楽しい前半部分とまさに、戦争の狂気と呼べる後半部分の対比が見事に調和している秀作。ストーリーは労働階級者がベトナム戦争に出征していくというものですが、彼ら自身の変貌と家族の葛藤・心情をしっかりと描き出した作品となっています。
ロシア系移民である主人公らが「God Bless America」を合唱するラストシーンは、戦争で犠牲になった友人を弔う気持ちだけでなく、「移民で成り立つ国=アメリカ合衆国への愛国心とは何か」そんなことを感じさせられ、胸を打ちます。激しい戦場シーンと静かな故郷の山、そしてトロイカなど楽しいダンス音楽とスタンリー・マイヤーズの悲しいピアノの調べなど、対照的な組み合わせが印象的です。
アカデミー作品賞、監督賞(マイケル・チミノ)、助演男優賞(クリストファー・ウォーケン)、音響賞、編集賞受賞。若き日のロバーロ・デ・ニーロとメリル・ストリープの熱演が光ります。
こういう日に限らず、一度は見ておくべき名作だと思います。
評価(5つが最高):★★★★★