第20回(2003/11/18)
『キル・ビル』("Kill Bill", 2003)

 ご存知クエンティン・タランティーノの第4回監督作品。相変わらず暴力的な描写が多く、全編にわたって血が飛び交う、そんな映画です。逆にそれがまったく現実感のない、アニメを見ているような感覚にさせます。本当に好き放題やっているな、そんな印象です。
 この映画は完全に好き嫌いが別れるでしょう。特に日本人や日本語が多く出てくるので「日本語が変、」とか「日本人がおかしい」とか突っ込む人はたくさんいると思います。そういう目で見る人は、これまでの「変な日本人が出てくる変なハリウッド映画」と同程度にとらえるでしょう。
 ただ、この映画はそんなことは超越しているような気がします。つまり「なんだあれ」と思うこと自体、タランティーノの術中にはまっているのです。アニメを途中で盛り込んだり、演歌を挿入歌に使ったり、一見はちゃめちゃなのですが、観客を意識してかなり計算されているような気がします。
 ストーリーはシンプルで、昔のやくざ映画や70年代のテレビ映画をほうふつとさせます。来年春には続編が公開予定。「なんだこの映画」と思った人もなんだかんだいって映画館に足を運ぶと思います。
 完成度がどうとかそんな理屈じゃなく、「パルプフィクション」に代表されるようなタランティーノ流のエンターテイメントが好きな人は、楽しめると思います。斬新な手法ではあるんだけど、なぜか懐かしさを感じる、そんな不思議な映画です。暴力シーンが苦手な人にはオススメできませんが・・・

評価(5つが最高):★★★☆


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