第36回(2005/2/8)『Ray / レイ』("Ray", 2004)

 昨年他界した"ソウルの神様"レイ・チャールズの生涯を描いた作品。目が見えないというハンデを克服し、天才的な才能を発揮した歌手/ピアノ奏者であるレイの波乱に満ちた一生をジェイミー・フォックスが見事に演じきっています。この映画では、屈託のない笑顔、体を揺さぶりながら楽しそうに演奏する姿からは想像もできない意外な彼の側面が見て取れます。

 レイが偉大なミュージシャンであることは周知の通りですが、その素晴らしい楽曲の裏側に様々なドラマがあったことは意外に知られていません。弟の死、失明、ヘロイン中毒、女性関係、人種差別問題・・・こういった障壁を乗り越えたからこそああいった数多くの名曲が誕生したのか、と思い知らされます。

 彼の歌の素晴らしさを再認識できる映画ですが、その波乱万丈の人生を2時間半に収めてしまうのはやはり無理があったような気がします。ところどころあえてドラマチックに演出するハリウッド的手法が使われた割には、エンディングがいまひとつ盛り上がらない・・・晩年まで活躍した彼の功績が描ききれていません。

 事実は小説より奇なりではないですが、すべてを描ききれていないこの映画以上にドラマチックな人生であったであろうレイの入門用(もちろん音楽的にも)としてはオススメの一本です。アーティストは作品を評価すべきであって、その生活まで詮索すべきではないという考え方もありますが(偉大なアーティストほど変人であったり、犯罪を犯していたりする)、その人を知ることで作品により魅力を感じることもあるんですよね。

 少なくとも後世にその名を残す不世出のミュージシャン、レイ・チャールズを知らない人はその音楽を一度聴いてみることをオススメします。

評価(5つが最高):★★★☆


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