第37回(2005/3/2)『ローレライ』(試写会にて、 2005) new

 いい意味でも悪い意味でもハリウッドを意識した映画です。これほどの大掛かりなセットやCGを使った戦闘シーンはこれまでの日本映画には見られなかったといっても過言ではないでしょう。海戦の場面はかなりの迫力を感じます。
 潜水艦映画特有の閉塞感、それに派手なアクションといった娯楽的な要素が前面に出ています。ただ、究極兵器ローレライがどうしてもSFチックというか、科学が進んだ現代でもありえないようなものなのに、第二次大戦中にそんな技術があったのか、疑問が先に来てしまいます。逆に未来の話としてアニメーションや完全なSFにしたほうがしっくりきたかもしれません。

 生命の大切さ、守るべきもの、そういった深いテーマにオーバーラップする神秘的な海底の映像と歌声。せっかく骨太の土台があるのだから、あえてありえない兵器など作らず、実際にあったものだけで設定したほうがより生身の人間にスポットライトをあてられたのではないでしょうか?若い兵士と日系ドイツ人が信頼(愛情)を深めていく部分ももっと踏み込んだほうが感情移入しやすかったように思います。

 単艦で米艦隊の中に入っていってもなぜか撃沈されないとか、飛んでいる飛行機を一発で打ち落とすとか、ハリウッドのアクション映画で出てくる「奇跡的なアクション」がたびたび起こります。原作は感動的な「SF作品」として評価されたのでしょうが、映画になってしまうと、さも実際にあったように見せる演出が逆に滑稽に映ってしまっています。

 深いテーマがあるのですから、無理にハリウッド映画に対抗しようとせず、日本映画ならではのわびさびが必要だったかもしれません。

評価(5つが最高):★★★


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