
若葉の梓川河畔
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新緑に朝日差す |
明ける穂高 |
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緑写す梓川 |
新緑河童橋 |
(c)Mitsuo Tabata,1996All Right Reserved
撮影日:Jun.05-06,1997
河童橋
僕は一時間ばかり歩いた後、一度は上高地の温泉宿に引き返すことにしようかと思いました。
と云って霧は一刻毎にずんずん深くなるばかりなのです。
「ええ、いっそ登ってしまえ」僕はこう考えましたから、梓川の谷を離れないように熊笹の中を分けて行きました。芥川龍之介『河童』より
河童橋から上流に穂高連峰、下流に焼岳を背に、新緑のケショウヤナギの林をぬって流れる梓川。
芥川龍之介の小説『河童』では、作者自身と思われる主人公が梓川の河岸で河童の世界に迷い込む。
日常を逃れるため上高地を訪れた作家は、早朝の朝露の中に、夕刻の静寂のなかに、
河童橋からのぞいた梓川の深淵のなかに、ひっそりひそむ河童の影を見たのかも知れない。
新河童橋
二十余年の特を刻み、その役目を昨年(1996年)の開山と共に終えた河童橋。
平成九年六月、次代の新河童橋へと歴史をあずけます。
今年(1997年)新しくなって再登場する河童橋。これまでの橋は昭和五十年(1975年)にかけかえたものだが、老朽化が進んでいた。河童橋周辺の山岳景観への配慮、洪水の際でも橋下0.8メートル
の空間を持たせるという河川法、梓川が押し流す砂礫で川底が年々上昇する為、強度が必要なこと
など再建には課題も多かった。
梓川に初めてハネ橋型の橋が登場したのが明治二十五年(1892年)。その後、この橋が洪水
で流され、現在の吊り橋型の橋に掛け替えられたのが河童橋のはじまりといわれる。河童の名の
由来は、橋のない時代、衣類を頭の上に載せて橋を渡る人の姿が河童に似ていたためという説や
現在の河童橋のある場所に如何にも河童の住みそうな深い淵があったためなど諸説ある。
全長36.6メートル、これまでより5メートル長くなった河童橋。新しい橋とともに、
上高地も新しい時代を歩み始める。新発見コミュニーケション誌「かみこうち」より
関連ページ:緑萌ゆ上高地・大正池
靄・川・流れ・山