
森と水のテーマ/上高地
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マイズル草群生 |
(c)Mitsuo Tabata,1996All Right Reserved
撮影日:May.31--Jun.02,1998
マイヅルソウ(ユリ科単子葉植物)
世界に三種しかない植物で、日本にはそのうちの二種があるから、ヨーロッパや北米、アジア地方で見る種もほとんど同じものだといえる。日本に生育する二種は、このマイヅルソウとヒメマイヅルソウであるが、マイヅルソウが広く分布しているのにくらべ、ヒメマイヅルソウの産地は本州の中部以北と北海道の亜高山に限定されるうえ、まれに産するのでなかなか見つからない。
ヒメマイヅルソウの相違点は、マイヅルソウに比してやや小型であり、葉の形が三角状卵心形で、葉縁や裏面、脈上に柱状の突起毛を密生させることである。
マイヅルソウの名は舞鶴草の字をあてるが、これはこの植物の葉の脈の走りを鶴が羽根をひろげた形に見立てたものである。この優雅な名前でもわかるように古くから知られた植物で、『草木図説』(飯沼慾斎、1856年)にも記載されている。1881年の帝大標本目録は岩木山産のものである。細長い根茎を縦横にのばして繁殖するので、ときとして大群落を作るが、葉の小さな北方産の種と、本州南アルプス以西、四国、九州の種は若干ちがい、葉が大きい。
特徴:丈10〜15cmになる多年草。根茎は地表近くを長くはい、分岐して林床をおおう性質がある。根茎の先端は節間が短く、頂部から茎を出す。茎は細く平滑で、中部から上方にかけて2〜3枚の葉を互生させる。葉は心臓形〜卵心形〜三角状卵心形で先端は鋭くとがり、葉の基部はへこんで茎を抱く形で葉柄につながる。長さ3〜10cm、幅25〜80mmで質は薄く、全縁である。花は茎頂に2〜3cmのまばらな総状花序をつけて咲き、白色、四弁で平開する。果実は漿果で径8〜10mm、未熟時は褐紫色の斑点があるが後に赤熟する。花期は5〜6月。
分布:北海道、本州、四国、九州。南限地は屋久島とされている白。
生育環:高山、深山の樹林中の下生え。
出典:白籏史朗著「高山植物」東京新聞出版局発行