
洋ラン
(c)Mitsuo Tabata,1996All Right Reserved
撮影日:Jun.01.1991
カトレア
ランの中で最も華やかで、ランといえばカトレアというように、洋ランの代名詞にまでなっている。一般にカトレアと称しているものには、カトレア属(C.)、ソフロニチス属(Soph.)、ブラサボラ属(B.)、レリア属(L・)をまとめていっている。これらの属同士は、お互いに交雑ができるため、数多くの層間交配種ができている。
ソフロニチス・コクシネアのように草丈も花も小さいものから、カトレア・ラビアタのように花後が20cm近くもある大輪の花まである。
このように近縁属が多いために、変化に富んだ色彩の花がみられる。次に主な属の特徴をあげてみる。
カトレア属:
メキシコからアルゼンチンに自生する着生ランで、約65種類がある。花が大きく派手なものが多い。花色が白や紫紅色、唇弁が紫紅色で白色花のもののほとんどは、カトレア属を中心に改良されたものである。
ソフロニチス属:
ブラジルに自生する小形の着生ランで、約6種類がある。朱赤色をしているカトレアのほとんどのものにソフロニチス・コクシネアの血が入っているくらい、鮮やかな朱赤色の花をつけるのが特徴。
ブラサボラ属:
中南米に自生する中形の着生ランで約15種がある。ひだの多い独特のリップ(唇弁)を持っており、この血の入ったものは、リップを見るだけで見分けることができる。
レリア属:
中米から南米にかけて自生する着生ランで約75種がある。花形はカトレア属に似ており、大輪で形のよいカトレアにはレリアの血の入ったものが多い。特に、濃黄色花のほとんどにはレリアが使われている。
デンドロビウム
デンドロビウムは、東南アジア一帯に広く自生する洋ランで、種類が多いだけに、大きさ、形など、異なったタイプのものがある。大別すると、園芸店で普通に見かけるノビル系、高温を好むデンフアレ系、そして、夏に咲くインファンディブルを改良したフォーミダブル系が主なものとなっている。ノビル系品種が多く、最も多く栽培されている。
寒さに強いので、寒冷地での栽培も可能である。花期は早いもので12月から咲きはじめ、翌年の5月ころに咲くものもある。デンファレ系高温を好み、初夏から夏にかけて花をつける。フォーミダブル系房咲きのデンドロビウムで、夏に花をつける。
ファレノプシス(胡蝶蘭)
蝶が舞う姿を妨佛とさせる花の姿から、日本では胡蝶蘭の名で親しまれている。優雅で清楚なところが好まれ、ここ数年シンビジウムに次いで愛好されているが、育てるには保温設備が必要である。
ファレノプシスは、東南アジア、特にフィリピン、マレーシア、台湾などに自生している着生ランで、約40種ある。近縁種にドリチスがあり、ファレノプシスとの交配でドリチノプシスが作出されている。長い花梗に複数の花が整然と並んでつき、蝶に似た花の形から蝶が群れ飛んでいるように見える。
花の色は白、桃、紫紅、黄色が主で、そのほかに条花、点花などの変わったものもあり、多彩である。
バンダ
東南アジアのフィリピン、ミャンマー、タイを中心に自生する着生種で、約70種ある。茎はまっすぐ上に伸び、そこに細い葉がV字状に展開する、典型的な単茎種である。株元、茎の途中から太い気根を出す。高温多湿を特に好み、植え込み材料を用いずに根をむき出しにして木枠植えにするため、一般の室内での栽培はむずかしく、ガラスケースか温室が必要である。開花期は定まっておらず、品種によっては一年に3−4回も咲き、目を楽しませる。
花は丸い大輪花で、花色は青、褐色、桃、黄、白など実に豊富。斑や網目の模様が入る種も多くある。ファレノプシス、アスコセンドラム、レナンセラ、エリデスなどが近縁属で、属間交配も盛んに行われている。なかでもアスコセンドラムとの交配種、アスコセンダは、バンダを一まわり小さくしたような外見で、管理もよりらくなため多く作られている。
出典:
「花の園芸大百科」